こんばんは。
「ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただありあけの 月ぞ残れる」
百人一首:第81首
梅雨から夏にかけてちょうど良い歌はあるのか、思い出して調べてみると、夏の歌は4首ほどで、梅雨らしき歌はないようでした。この歌(上記)はその夏の歌の一つ。
橋本武さんの「解説百人一首」(日栄社)によれば、「関西弁でいうと、このあとに「なあーンや、あほくサ!」というようなことばの続く感じ。(p-170)」
「この歌は題詠の作りもので、待ちに待った初音を聞いた感激というような、実感はこめられていない。(途中略)声を聞いて、反射的に見上げた空に、当然予期されたほととぎすの姿は皆無で、予期しなかった有明月だけが見えた。(p-171)」
このような意味のようです。
中学生の頃、そもそもホトトギスの声など聞いたことがない私は、いったいどのような鳴き声なんだろうとも思わず、なんか簡単な歌だとしか感じませんでしたが、聞こえたからパッと見たのに、月だったという「エッ!!?」みたいな感じが伝わりました。
橋本武さんの文章は面白いと思いました。